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スレート屋根の4つのメンテナンス方法と、劣化のサインとは?
スレート屋根は、初期費用が他の屋根材と比べて安価なため、様々な住宅で採用されている建材です。 ただし、定期的なメンテナンスが必要で、メンテナンスを怠ると、
・雨漏れの原因になる
・劣化し、補修ができなくなる
といった可能性も出てきます。 ですが、普段あまり屋根のメンテナンスに気をつけることは少ないため、どんなことに気をつけたらよいかわからないですよね。 そこで、この記事では、
スレート屋根の劣化の進行度合いは?
スレート屋根のメンテナンスはどんな方法があるの?
についてお伝えしたいと思います。 屋根のことは、普段馴染みがない分わからないことが多いかもしれませんが、その要点だけなら、そこまで難しくありません。 この記事で、その概要を掴みましょう。
スレート屋根の劣化の進行度合いは?
スレート屋根は、メンテナンスをせず放置しておくと、どんどん質が劣化していきます。 劣化が進行すればするほど、工事が大掛かりになり、費用がかさんでしまうことになります。 というのも、放置して劣化した屋根は、状態が悪化すると、雨漏れの原因になってしまうからです。 そうなってしまうと、塗装では不十分で、葺き替えが必要になってしまう場合もあります。 スレート屋根の劣化は、
- 変色
- 反り・割れ
- 棟板金のさび・ゆるみ
- カビやコケ
- スレートの滑落
などがあります。 具合について具体的に見ていきましょう。
変色
スレートは、放置しておくと、徐々に、変色し、色があせてきます。 美観を損ないますが、この10年程度までの間は、そこまで、手を加える必要性がないことが多いです。 ただし、屋根に手を触れたときに、手に粉のようなものが付着することがあります。 これはスレートの塗料が落ち始めているサインですので、このまま放置しておくと、少しずつ吸い込み、反りや割れの原因になります。
反り・割れ
スレートが変色し、塗料が落ち始めていくと、徐々に、スレートの屋根に反りや割れが見られるようになります。 水を吸い込むことで、スレートの中の基材が膨張し、動きが出てきてしまうからです。 反りや割れは、雨漏れの原因になるため、注意が必要です。 この段階まで進むと、スレートの塗装だけでは補修が追いつかない場合もあり、費用がかさんでしまうかもしれません。
棟板金のさび・ゆるみ
スレート屋根だけではなく、屋根の棟板金にも注意が必要です。 棟板金は、年月が経つと劣化することはもちろん、風の影響を強く受ける部分でもあります。 そのことで、板金が浮いてしまうと、徐々に雨水が内部に侵入し、劣化を促してしまいます。 スレート屋根自体に問題がなければ、棟板金だけの補修で済む場合もあります。 その程度であれば、費用もそれほど多額にかかることはありません。
カビやコケ
スレートの色あせが進み、さらに状態が悪くなっているのが、カビやコケが生えてきている場合です。 カビやコケが生えると、屋根の水はけが悪くなり、水が流れずにとどまりやすくなります。 劣化が進みやすくなり、最終的には、雨漏れの原因になります。 割れや反りもセットで、発生している場合もあり、塗装では難しくなってしまうケースもあります。
スレートの滑落
スレートがずれてしまう場合も中にはあります。 経年劣化によるものというよりは、
- 強風により、何かがぶつかった
- アンテナや太陽光パネルなどを乗せたことで、負担がかかっていた
などのケースがあります。 この状態を放置しておくと、屋根の中に水が入りやすくなってしまうため、劣化が浸透しやすくなります。 さらに、内部のルーフィングまでダメージを受けてしまうと、葺き替えが必要になり工事費がかさむ原因になります。 滑落したものを戻すだけなら、コストはそれほどかからないため、気づいた段階で対処すると、その後のトラブルを未然に防ぐことができます。 ただし、その数が多くなってきている場合は、劣化そのものが進んでいる場合もあるため、注意が必要です。
スレート屋根のメンテナンスはどんな方法があるの?
スレート屋根のメンテナンスには、どのような方法があるのでしょうか。 具体的には、
- 補修工事
- 塗装工事
- カバー工法
- 葺き替え工事
という方法があります。 下の工事になればなるほど、工事にかかる費用は大きくなります。
補修工事
屋根のメンテナンスでは、様々な補修工事を行います。 多様な工事がありますが、具体的には、
- 滑落の補修
- 板金補修工事
- 板金交換工事
などがあります。 下の方に行くほど、金額がかかりますが、補修交換の段階では、それほど金額がかかる工事はありませんので、できる限り補修の必要性に気づいた段階で処置を施すことがおすすめです。
塗装工事
スレート屋根が10年以上経過し、変色が目立ってきてる場合は、屋根の塗装工事が必要になります。 塗装が必要だと判断する大まかな基準は、
- 触って粉が付着する
- 塗膜がはがれて白っぽくなっている
などの状態が見られるようであれば、塗膜の保護機能が低下しているため、塗装が必要なサインです。 ただし、スレートの反りや割れが多い状態まで、症状が進行している場合、塗装の効果が発揮できないため、吹き替えかカバー工法が必要になります。
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根の上に、スレートを重ねてカバーする工事方法です。 スレートが痛んでいても、下地がしっかりとしている状態であれば、そのままかぶせることができます。 そのため、既存の屋根の撤去作業代や処分代を抑えることができます。 また、2004年以前の建物の場合、スレートに石綿(アスベスト)が使われているケースもあります。 このような場合でも、カバー工法は有効です。 石綿は、葺き替えなどで解体するときに、処分や撤去に手間がかかり費用がかさんでしまいます ですが、この工法であれば、解体する必要もなくそのまま被せられます。 葺き替えよりも費用を抑えて工事を行うことができます。 ただし、屋根の下地のルーフィングに穴が空いているなどする場合、その後の雨漏れの原因になることもあります。 そのため、カバー工法は慎重な判断が必要な工事方法です。
葺き替え工事
葺き替え工事は、既存の屋根を全て撤去し、一からスレートを施工する工事のことです。 費用こそかさみますが、屋根の下地の状態もしっかりと確認しやすく、雨漏れの原因となりうるところを全て処置できます。
屋根の状態を正確に判断して、大規模工事を未然に防ごう
今回は、屋根のメンテナンスの具体的な方法と、屋根の劣化の度合いについて具体的に説明しました。 屋根の劣化の事例としては、
- 変色
- 反り・割れ
- 棟板金のさび・ゆるみ
- カビやコケ
- スレートの滑落
がありましたね。 また、屋根のメンテナンス工事の例としては、
- 補修工事
- 塗装工事
- カバー工法
- 葺き替え工事
がありました。また、この工事は、下にいくほど、工事の費用がかさみます。 場合によっては、葺き替え工事と、塗装工事を比べると倍以上変わることも。 適切にメンテナンスを行うことで、そうなる前に対処することができます。 この機会に屋根の状態を定期的に確認することからはじめてみてください。
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